1/365 days
バチカルは、坂が多い。
屋敷のメイドにお使いを頼まれたその帰り道、ガイはそのうちのひとつをのんびりと上っていた。
運悪く、最上層直通の昇降機がメンテナンスにはいってしまったらしい。とは言っても、急ぐ理由があるわけでもない。休みでもないのにこうして屋敷の外で羽を伸ばせる機会もそうそうないからと、気晴らしついでに別な昇降機の元まで歩くことにしたのだった。
気持ちの良い初夏の昼下がり、坂の両側に立ち並ぶ石造りの家々がうまい具合に影をつくっていて、なかなかに涼しく快適だ。くねくねと曲がる石畳の上の方から、透明な空気の流れがまっすぐに駆け下りてきて、ガイのほほをさらりとなでていく。
どこかで子供たちが遊んでいるのだろうか、明るい歌声が辺りの壁にぶつかっては消えていく。
おーにさーんこーちらー てーのなーるほーうへー
ああ、鬼ごっこか。
その歌声に懐かしさを覚え、ガイは束の間その場に立ち止まった。
かつて――そう、あの白く優しい故郷にいたころ、自分も姉たちとよく追いかけ合ったものだ。
そっと目を閉じると、すぐ横を、8年前の幼い自分と姉、それから従者でもあった幼なじみが、笑い声を立ててじゃれあいながら走りすぎていくような気がした。
おーにさーんこーちらー てーのなーるほーうへー……
ガイは静かに目を開ける。
目の前の道には、誰もいない。前にも、そして後ろにも。
苦く笑って一度頭を振ると、ガイは再び坂道を歩き出した。
そんな感じで、第一回はガイでした。多分、14歳のころ。ルークが「誘拐」されるちょっと前ぐらい。
ガイラルディア姉弟に、幼少時のヴァンデスデルカさんはかなり振り回されていたと思います。子供ならではの無理難題を押しつけられることもあったんじゃないかなー。多分、一番の権力者はマリィベルお姉さま。
あくまで、みんなのちょっとした日常がテーマなので、やまなしおちなしいみなし。そのうち、ヴァンデスデルカとか変わり種が出そうな自分の頭が怖い。(ああそうですか)
携帯版もアップしたので、改めてもうちょっと長編について語ってみます。
あとから見直してみると、いつもにもましてあちこち飛ばした感のある文章です、ね。ここまでハイスピードだと、いっそ驚嘆に値する。
ちなみに最初、シュザンヌさんの登場がほんとに最後の数行しかなくって、「副題と違う!」と焦って書きなおしたのはいい思い出。この次の副題が父子なので、展開がバレバレな気もしなくもないです。
その時点までのいきさつをどこまで文章にしてよいものか、毎度毎度悩んでいます。ここに来てくださる方のほとんどはゲーム中の展開をご存じの方だと思うので、みんなが承知済みのことをわざわざ文章にしていいのかっていつも思う。
っていうか、説明がさらりとできる人になりたいです……orz いいかげん説明くどい。要らない。
ええとそういえば、今回のお話でガイが居場所がどうたらって一人語りしてますけど(一人語りってお前……)、これ、逆の見方すれば、ルークにも当てはまるんじゃないかなって書きながら思っていました。詳しくはまたそのうち番外編辺りで補足したいと思っていますけれど、本編中のアッシュにも、すでにアッシュなりに居場所とか人との絆はあったわけで、ルークが今やっていることは、もしかしたらそういうものを壊す、ことでもあるのかもしれない。
それは勿論、アッシュだけじゃなくて、ルークが切り離してしまった仲間たちにも言えることですよね。ルークは関わらなければ悲しまなくていい、というようなことを言っているけれど、やっぱり、あったはずの絆、結べるはずだった絆が、結ばれることなく消えていってしまうのは悲しい。
……それでもルークは、アッシュが生きているのならただそれだけで、って答えるのだろうけれど。
全然関係ないお話ですが、火曜日は部活の先輩方と四人も鉢合わせしてしまって、大変いたたまれない心持ちになりました。……や、すみません先輩、去年あんなにご迷惑をかけておきながら休部だなんて……!
しかも誰一人、休部について責めることなく体調を気遣ってくださったのがまた……ただ今、自分がとてつもない悪党になってしまったような気分です。
あ、ひやむぎで指を切りましたって友人に言ったら、大爆笑されました。
……で。
以下はかねてよりためまくっていた一言・拍手へのレスです。本当に、今わたしは魔界の海に沈んでくるべきなのだと思います。す、すみません……!
屋敷のメイドにお使いを頼まれたその帰り道、ガイはそのうちのひとつをのんびりと上っていた。
運悪く、最上層直通の昇降機がメンテナンスにはいってしまったらしい。とは言っても、急ぐ理由があるわけでもない。休みでもないのにこうして屋敷の外で羽を伸ばせる機会もそうそうないからと、気晴らしついでに別な昇降機の元まで歩くことにしたのだった。
気持ちの良い初夏の昼下がり、坂の両側に立ち並ぶ石造りの家々がうまい具合に影をつくっていて、なかなかに涼しく快適だ。くねくねと曲がる石畳の上の方から、透明な空気の流れがまっすぐに駆け下りてきて、ガイのほほをさらりとなでていく。
どこかで子供たちが遊んでいるのだろうか、明るい歌声が辺りの壁にぶつかっては消えていく。
おーにさーんこーちらー てーのなーるほーうへー
ああ、鬼ごっこか。
その歌声に懐かしさを覚え、ガイは束の間その場に立ち止まった。
かつて――そう、あの白く優しい故郷にいたころ、自分も姉たちとよく追いかけ合ったものだ。
そっと目を閉じると、すぐ横を、8年前の幼い自分と姉、それから従者でもあった幼なじみが、笑い声を立ててじゃれあいながら走りすぎていくような気がした。
おーにさーんこーちらー てーのなーるほーうへー……
ガイは静かに目を開ける。
目の前の道には、誰もいない。前にも、そして後ろにも。
苦く笑って一度頭を振ると、ガイは再び坂道を歩き出した。
そんな感じで、第一回はガイでした。多分、14歳のころ。ルークが「誘拐」されるちょっと前ぐらい。
ガイラルディア姉弟に、幼少時のヴァンデスデルカさんはかなり振り回されていたと思います。子供ならではの無理難題を押しつけられることもあったんじゃないかなー。多分、一番の権力者はマリィベルお姉さま。
あくまで、みんなのちょっとした日常がテーマなので、やまなしおちなしいみなし。そのうち、ヴァンデスデルカとか変わり種が出そうな自分の頭が怖い。(ああそうですか)
携帯版もアップしたので、改めてもうちょっと長編について語ってみます。
あとから見直してみると、いつもにもましてあちこち飛ばした感のある文章です、ね。ここまでハイスピードだと、いっそ驚嘆に値する。
ちなみに最初、シュザンヌさんの登場がほんとに最後の数行しかなくって、「副題と違う!」と焦って書きなおしたのはいい思い出。この次の副題が父子なので、展開がバレバレな気もしなくもないです。
その時点までのいきさつをどこまで文章にしてよいものか、毎度毎度悩んでいます。ここに来てくださる方のほとんどはゲーム中の展開をご存じの方だと思うので、みんなが承知済みのことをわざわざ文章にしていいのかっていつも思う。
っていうか、説明がさらりとできる人になりたいです……orz いいかげん説明くどい。要らない。
ええとそういえば、今回のお話でガイが居場所がどうたらって一人語りしてますけど(一人語りってお前……)、これ、逆の見方すれば、ルークにも当てはまるんじゃないかなって書きながら思っていました。詳しくはまたそのうち番外編辺りで補足したいと思っていますけれど、本編中のアッシュにも、すでにアッシュなりに居場所とか人との絆はあったわけで、ルークが今やっていることは、もしかしたらそういうものを壊す、ことでもあるのかもしれない。
それは勿論、アッシュだけじゃなくて、ルークが切り離してしまった仲間たちにも言えることですよね。ルークは関わらなければ悲しまなくていい、というようなことを言っているけれど、やっぱり、あったはずの絆、結べるはずだった絆が、結ばれることなく消えていってしまうのは悲しい。
……それでもルークは、アッシュが生きているのならただそれだけで、って答えるのだろうけれど。
全然関係ないお話ですが、火曜日は部活の先輩方と四人も鉢合わせしてしまって、大変いたたまれない心持ちになりました。……や、すみません先輩、去年あんなにご迷惑をかけておきながら休部だなんて……!
しかも誰一人、休部について責めることなく体調を気遣ってくださったのがまた……ただ今、自分がとてつもない悪党になってしまったような気分です。
あ、ひやむぎで指を切りましたって友人に言ったら、大爆笑されました。
……で。
以下はかねてよりためまくっていた一言・拍手へのレスです。本当に、今わたしは魔界の海に沈んでくるべきなのだと思います。す、すみません……!
拍手レス>
6/9 0:10 アビスの連載小説読みました♪ ~ の方へ
わ、ありがとうございます! 改めて言っていただくと、なんだか照れちゃうな(笑)。
∑む、夢中に!? わわ、嬉しいですっ。あのようなつたない文章ですが、そう言っていただけると勇気が持てます(何のだ何の)。
レスをレスをと思っている間に12話アップしてしまい、ました。そ、そちらも楽しんでいただけていればよいのですが……。
まだまだアッシュとガイの仲は悪くて、一行内の空気はぎこちなくて、アッシュとルークはくっつかなくて……とひたすらもどかしいばかりの人たちなのですが、どうか生ぬるい目で見守ってやってくださるとうれしいです。
拍手ぱちぱち、本当にありがとうございましたー!
6/13 0:26 アシュルク逆行はいいね! ~ の方へ
いいですよねっ!! そう言ってくださる同志さまがいらっしゃると、うきうきしてしまうこまです。今なら音譜帯まで飛びあがれるんだ、ぜ っ (やめなさい)。
き、期待してくださって、ありがとうございます! あわわ……完結まであとどのくらいかかるんだろう……。いや待てよ、12話アップするのに6ヵ月半かかっているわけだから単純計算で一、二、三……十……五十(オイオイオイオイ)。あ、や、五十年はさすがにないと思いますけど!(当り前です)
これからも、アッシュとルークには頑張ってもらうつもりです。で、本編で書ききれなかった他の人たちは、番外編でフォローしていこうと思っていますので!
ともかく、励ましのメッセージ、嬉しかったです。ありがとうございました!
一言レス>
6/5 さなさまへ
なんというか、すごく返事が遅くなってしまって申し訳ありませんでした……orz
どんとこいと言っていただけてよかったです! よし、では一大巨編の方で是非k(オイ)。
あ、すみません、調子に乗ってますよね……自重。
一大巨編……はさすがに無理ですけれど、今のところ、4話ぐらいの長さのものを予定しています。今月中に全部書きあがるかはちょっと自信がないのです、が、気長に待っていただけるとうれしいかも……です(気長にとか最低だ自分)。
というか、いつも励ましていただいてありがとうございます! さなさまのお言葉、すごく優しくて暖かいので、読むたびに元気をもらっています。嬉しいです(#^.^#)
6/12 こんにちは、はじめまして。一応pcメーカー ~ の方へ
∑わ、丁寧な説明をありがとうございます! というか、なぜにこま家の親はサイトに来てくださる方にまでご迷惑をおかけしているのだろうというお話ですよね……心配してくださって、本当にありがとうございます。
USBのお話に、「あ、その手があったのか!」と思わず手を打ってました。早速親に伝えたところ、「わかった、やってみるよ!」との返事が返ってきたのですが……あれ、それから音沙汰ないな。どうしたんだ、あの人たち(-_-;) まだ買い替えたという話は聞いていないので、きっと、教えていただいた方法で成功したんじゃないかなと思います。実家の方のは、確かまだ2,3年ほどしか経っていないはずなので、やはり買い替えるのはもったいないですよね。
ともかく、優しいメッセージ、ありがとうございました。あ、あと、赤毛への応援のお言葉も! うちのサイトの二人は、不器用なことこの上ないので、まだまだ前途は多難そうです(^_^;) でもそんな二人を中心にこれからも長編は進んでいくと思いますので! どうか、これからも見守ってやってくださいませー。
6/16 海原さまへ
まじですよー!!!! と叫び返してみたり(笑)。
ええと、あちらこちらで聞くお話を総合すると、どうやらサンライズさん主導でもう動き始めているようなのです。わたしも、その制作に参加しているらしい製作会社さんのところで、「七話制作」という文字を目にしたので、多分確定のお話なんじゃないかな、と思います。あ、今度、そのURLをこっそりひっそり載せておきますね!
声優さんは、本当、ゲームのままでいてほしいものですよねー……。ドラマCDの釘宮イオンも嫌いじゃないのですが、やっぱり、アビスはあの方たちでなければ……特に千尋さん! 赤毛!!
エターニアはわたしも観たことないです。ええと、あのwowow(あれ、wってもうひとつ要ります……?)で放映されていたやつですよね? ああー、アビスは有料じゃないところで放映されてほしいなぁ……。
いえ、このようなちょっと乏しい情報でむしろ申し訳ないです! 海原さんもお仕事頑張ってください!!
他にも、アップルグミをくださった方、ありがとうございます! いつも土下座しながらありがたく受け取らせていただいています!
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