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「……ごめんな」
 頭に落ちてきた呟きを拾い上げ、ナナキは前足の上に乗せていた鼻づらを持ち上げた。
 隣にうずくまっていた青年は、はるか遠くに輝く星を見ているような目で、焚き火の向こうではしゃぐ仲間たちを見つめている。
「ごめんな」
 色のないくちびるが、もう一度動いた。
 ひんやりと透き通った声だ。そう、さながら、エアリスが沈んだあの湖の湖面にも似た。
 ナナキは耳を倒して、うつむいた。知らないうちに持ち上げていた尻尾が、ぱたん、と地面を叩く。
 彼が何に対して謝っているのか、分からないわけじゃない。できれば気づきたくなかった、のだけれど。
「……クラウドが、決めたんなら。オイラは何も言わないよ」
 自分の声だなんて思えないほどに小さな、小さな声が、答えを返す。
 言えるわけがない。彼がこれまで背負ってきたものを、捨てざるをえなかったものを、知ってしまったナナキには。
「……そうか」
 頭上で微笑む気配がした。ふ、ととても静かな動作で隣の気配が立ちあがった。
 一度ナナキの頭をなでて、それから気配は離れていく。
 それでもナナキは、焚き火の影が躍る地面を睨んだまま、視線を上げることはできなかった。


 そして、青年はいなくなった。










 TOAがある程度ひと段落ついたらいずれ書きたいと思っている、FF7「微温体温」のプレ・プレビュー話でナナキとクラウド。そのうち、ちゃんとした形にまとめてプレビュー話としてアップするかもです。こちらは、「眠り姫」がテーマの、セフィクラED後話の連作。わたしなりのちょっとしたED後補完話になります。いずれはこれも書きたいなあ。

 ただただその日を乗り切ることだけを考えていたら、いつの間にかもう夜で時間の早さにびっくりする……ということをここ二三日ずっと繰り返している気がする。したいこと、しなきゃいけないこと、何一つ終わっていなくて、こんなんでいいのかなあとぼんやり考えています。
 話は変わりますが、昨日釘を刺されたからなぁとしぶしぶ部活に行ってみたら、すごいサプライズが待っていました。さぷらいず。
 なんだか、部活辞めようかと本気で考え始めていた自分が申し訳ない気分になりました。こんな子なのに、皆ありがとうっ。とりあえず、もうちょっと頑張ってみて、やれるところまでやってみようと思いなおしました。辞めるとしても、今日もらったたくさんの温かな気持ちの分だけは何かを返して去っていきたい。

 そろそろ本当にサイト改装すべきか検討中。パソコン版の方はこの前見つけたテンプレートでいいとしても、携帯版がなぁ……うぬぅ。
 更新の方は日曜までに何かしらアップしたい、です。


 さぁ、明日は地獄のフルコマだーっ。

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