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 二日前、家族が一人増えた。「親が見つかればすぐに追い出す」って馬鹿セフィロスは言っているけど、でも、しばらく一緒に暮らすっていう意味ではおんなじだ。
 「こいつ、生まれたばかりで弱いんだから、お前たちがちゃんと守ってやれよ」って、クラウドは言ってた。
 そっとのぞいてみたそいつは確かにちっちゃくてふにふにしていて頼りなくて、おれやルークみたいな爪も毛並みもなさそうだった。小さな口には、牙も歯もない。こんなんで生きていけるのかこいつ。
 でもこいつは、ちっこいくせに、ザックスのいびきよりうるさかった。丸い口をぱかって開けたと思ったら、いきなりびーびー泣きだすんだ。昼でも夜でもお構いなし。あんまりうるさいもんだからもしかしてこいつ何かの病気なんじゃないかってルークと二人してびっくりしてしまった。
 だけど、そこらへん、同居人二人に言わせれば、むしろ泣かないほうが心配だということらしい。っていうか、おれがなにより驚いたのは、クラウドはともかく、「あの」セフィロスが慣れた様子でそのちっちゃな生き物の世話をしているってことだ。ルークなんか、おれの隣で尻尾と耳をぎゅうっと縮こまらせて「あれってセフィロスのにせもの……?」ってめちゃめちゃ怯えてたぞ。でも当の本人にそう言ってやると、あいつ、ものすごく遠くを見るような目になって「まぁ、あの暴走王女の子守りをしていればな……」とぼやいていた。さっぱり意味が分からない。
 一方のクラウドのほうは、昔あの陰険眼鏡の先生に当たる人の手伝いをしていたときに、こういうこともしていたらしい。ジェイドの子守りをしてたこともあるんだぞってこっそり教えられて、思わずルークと顔を見合わせてしまった。(だって、あの陰険眼鏡にもこんなにちっちゃかった頃があるなんて……っ!)
 「そうやって驚いてるけどな。お前らにだってこんなに小さかった頃があって、そしてやっぱりこうやって誰かに守られてたんだぞ」。クラウドがいつになくまじめな顔でそう言うもんだから、ちょっと考え込んでしまった。
 そんなこと、あったんだろうか。おれたちにも、あそこに行く前は、あいつらに捕まる前は、そうやって守ってくれるひとがいたんだろうか。
 おんなじことを思っていたのか、手を握るルークの力が少し強くなって、だからおれも、そうだったらいいのに、って思いながら同じ大きさのその手をぎゅっと握り返した。










 アッシュ視点。思いがけず、ちょいとシリアスに。
 セフィロスさんのいう「暴走王女」は……まぁ、あの人ですね。うん。
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