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 自分の足元を中心に、白く光る譜が刻まれた。
 とっさに後ろに跳び退ることで、陣の内から逃れ得た。直後、鼻先をかすめるようにして、何条もの光が檻のように輪となって地面へと突き刺さる。
 その光が消えるより早く、クラウドは場を駆け抜け、相手に肉薄した。踏み込みながら振り抜いたバスターソードは、しかしただ空を斬る。
 ひらりとかわした女は艶な笑みを刻み、己が滞空する高みからクラウドを見下ろす。
 その唇がゆるく動くのを見てとるのと、相棒の声が鋭く自分の名を叫ぶのとはほとんど同時だった。
「クラウド!」
 振り向く前にこちらに向かって放り投げられたそれをつかみ取り、素早く剣柄の穴に落とし込む。瞬間完成したクラウドの防御魔法と女の火球とが正面からぶつかりあい、場全体がきしみ声をあげた。
 弾けた余波が収まる前に、クラウドの横を銀の光が駆け抜けた。
 セフィロスだ。熱風をまといながら繰り出された一撃は、今度はかわされることなく、女の背の片翼でもって受け止められる。
 一瞬の膠着――そして弾き合う。
 宙で素早く体勢を立て直しながら、相棒はクラウドの隣に降り立った。
 数瞬間を置き、こちらはやや離れたところに、女もまた着地する。しかしすぐに攻勢に移ることはせず、真紅の瞳を細めながら彼女はくすくすと笑った。
「わざわざ、そんなおもちゃを使わなくてもいいのに。……それとも、なめられているのかしら?」
「ハンデってやつだよ。ありがたく思ってほしいな」
 あえて軽く答えながらクラウドは剣を握る手に力をこめた。その柄に、そして隣の相棒の腕に光るのは、魔晄と同じ色を湛えた宝玉――マテリア。
 確かに、こんなものなどなくても魔法は使える。それでもそれをしないのは、単なる意地と誇りだ。「ヒト」として、最低限の。
 す、と女が笑みを消した。隣でセフィロスが刀を構える気配がする。
「気に食わないわね、その余裕。……いいわ、せいぜい後で後悔するのね坊やたち」
 宣言し、ルージュよりも毒々しい赤に染まった唇が詠唱の音を紡ぎだす。
 それが、激闘の幕開けだった。






 セフィクラとネビリムさんでした。あれ、赤毛たちより短いな。まあ、いいか。
 セフィロスもクラウドもジェノバ入りの体になった関係でマテリアなしで魔法は使えるのだけれど、本人たちはあえて使っていない、という勝手なMY設定。すみません。
 そして目標とする格好いいアクションシーンにはまだまだ程遠い。うーん、練習あるのみ、なのかな。
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